お盆の海は事故が多い?
今年も夏がやってきましたね!
小学生のお子さんがいると、今年も夏休み、
なにか少しでも思い出作ってあげたいなと思うのは親心。
最近は日本でも、好きな時期に取れる会社も増えたようですが、
まだまだお盆休みくらいしかまとまった休みがとれない会社も多いですよね。
日帰り海水浴や、南の島への旅行など旦那のお盆休みにあわせて計画していると、
よく聞くのが、「お盆の海は行ってはいけない」という言い伝え。
お盆の海は、事故が多く危険、という日本の昔ながらの言い伝えがあるのです。
海に行くと伝えたら、ご両親に止められた、なんて声もちらほら。
しかし、実際お盆に海水浴に出かけるご家庭はとても多いですし、
サーファーは年中波に乗っています。
確かに夏になると、水にまつわる事故のニュースは見かけますが、
お盆は本当に事故の確率が高いのでしょうか?
お盆の海の事故で多いとされる原因について、検証してみたいと思います。
言い伝え①:クラゲが多い説
お盆過ぎの海は、クラゲが増えるという説。
これは海に行ってクラゲに刺された経験している人ほど、気になる情報ですよね。
しかし、実際クラゲは季節に関係なく存在するというのが実情のようです。
初夏の時期は小さかったクラゲも、お盆の頃には成長し、
沖の方から海岸方面に上がってくるという説もありますが、
野生生物の生態は、地域やその年の天候、海水温など、その時の条件によって違います。
日本全部の海が一律、同時期に全く同じ状況になることはあり得ません。
ある海水浴場では、去年は全くクラゲに遭わなかったのに、
今年は刺された!なんて例もいくらでもあります。
お盆より前に行けば絶対刺されないなんて保障はありません。
ですので、お盆の海を必要以上に恐れる人が作り出した、
ある種の都市伝説と見なしてよいでしょう。
言い伝え②:幽霊が出る説
こちらの説でよく言われるのは、
「海で事故死した幽霊がお盆に現れて、海水浴客の足を引っ張る」というものです。
海を含む水難事故は、海水浴客が年間で一番多い夏に増える確率は確かに高いですが、
お盆の時期に事故が特に多いというデータは存在しません。
たしかにお盆は、本来は“先祖の霊をお迎えして供養するための時期”ですので、
呼ばれた霊が海に現れて・・・なんて想像もたやすいですが、
私はあまり例の祟りや呪いは信じない方ですので、
先祖の供養をおろそかに遊びに行く若者を説得するための作り話か、
霊感が強いと言われる人による怖い話の類ではないかと考えていますが、
これは、非科学的なものを信じるかどうかで、意見が分かれるところでしょう。
言い伝え③:土用波説
夏の土用は、7月下旬〜8月上旬とされており、
鰻を食べる土用の丑の日でおなじみですね。
この時期はちょうど、大潮と呼ばれる1ヶ月の中でも特に潮の高い時期と重なるため、
その影響がお盆へも影響するという説で、
古くから漁師の間などで言い伝えられていたようです。
これが一番、お盆は海を避けるべき理由の中でも有力に思われます。
しかし、気象学の発達に伴い、この時期の高潮の原因は台風によるものだとわかりました。
台風はお盆の時期にかかわらず、夏になると次々と発生しますし、
大潮も毎月ありますので、お盆だから特別高いというわけではありません。
ですので、お盆時期のみ特別警戒するのではなく、
時期にかかわらず、海に行く前に必ず潮の状況は確認すべきと言えるでしょう。
まとめ
お盆の海に事故が増えると言われる3つの原因説について検証してみましたが、
お盆だから特別リスクが高まるわけではありません。
しかし、お盆の海が絶対安全というわけでもありません。
海という大自然は、そもそも非日常。
無防備に波の中に飛び込むのではなく、危険も隣り合わせである認識は持つべきでしょう。
天気予報では潮の高さの情報を見ることができますし、
海水浴場によっては公式サイトを開設し、その日の海の状況を知ることができます。
これから行こうとしている海は、どんな状況なのかや、
もし海に入って危険なことになったらどうすべきなのか等は、
事前に知識を身につけることができますし、
状況の悪い時に飛び込めば、事故の確率は大幅に高まります。
危険だと思ったら、当日でも、海に入らない選択も必要です。
お盆でもお盆でなくても、事前準備はできる限り万全に。
安全第一で判断するようにしましょう!
今年の夏も、多くの方が楽しい夏の思い出を作れますように。